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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻1号

2003年01月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科がん検診 正診率向上のための要点

2.子宮頸癌 4)妊娠時における診断の注意点

著者: 伊東英樹1 斉藤豪1 田中綾一1

所属機関: 1札幌医科大学産婦人科

ページ範囲:P.50 - P.55

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はじめに

 妊婦の子宮頸部細胞診異常の頻度は0.72~3.7%との報告1~8)があるが,集団検診による異常頻度報告9)が1.85%であり,また非妊婦の異常頻度が3.27%との報告8)と比較して大差ないものと言える.妊婦の子宮癌検診としては非妊婦と同様に,一次スクリーニング検査として細胞診,そして細胞異常が認められた場合には二次検診としてコルポスコピー(コルポ診),さらに異常所見があれば狙い組織診を施行する.しかし初診時の妊娠診断や妊婦検診に際し,妊婦には子宮頸癌検診が必ずしも必要な検査ではないと思い込んでいる女性も多いため,はじめに検査内容の十分な説明と同意を得ることが必要である.また子宮頸癌検診を行う場合には非妊婦と異なり,妊娠週数が進むほど細胞採取後に出血・褐色帯下を起こしやすくなる.さらに頸部軟化腫大などが生じやすくなり,特に妊娠中期以降では腫大化が著明となるため,コルポ診や狙い組織診が施行しづらくなる.このため,妊娠診断の早い段階での癌検診実施が重要である.この他に,細胞診異常の分娩までの管理などで,非妊時とは全く異なった検診上の注意事項が発生する.

 妊娠時における子宮頸癌検診の注意点を分類すると,細胞採取後出血に伴う注意点,頸部の軟化腫大に伴う注意点,細胞・組織診断上の注意点,細胞診異常の管理上の注意点に大別されるが,以下にこれらの注意点とその対策について具体的に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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