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今月の臨床 婦人科がん検診 正診率向上のための要点
4.卵巣癌 2)腫瘍マーカーの使い方
著者: 沼文隆1 縄田修吾1
所属機関: 1山口大学医学部生殖・発達・感染医学講座(産婦人科)
ページ範囲:P.76 - P.79
文献購入ページに移動日常診療において卵巣腫瘍を認めた場合,良性・悪性の鑑別が,その後の治療方針決定の上で最も重要となる.これには臨床症状,内診に加え,腫瘍の形態学的性状をとらえる画像診断(超音波,CT,MR)とともに,腫瘍の生化学的指標とも考えられる血清腫瘍マーカー測定が参考となる.この腫瘍マーカーとは「癌細胞が作る,または非癌細胞(宿主)が癌細胞に反応して作る物質のうちで,癌の存在,細胞の種類とその量を反映する指標となるもの」をいい,卵巣癌に対してもこれまでCA125をはじめ多数のものが開発されている.われわれ産婦人科医は保険診療上の制約もあり,多くの腫瘍マーカーの中から適切なものを選択し使わなければならない.一方,腫瘍マーカー測定の意義については,治療効果の判定,再発のモニタリングにおけるその有用性は認められているものの,偽陽性疾患が存在すること,あるいは癌の早期診断に用いることは未だ困難であることなどの実状を理解しておくことも大切である.
ここでは,当科における卵巣癌の腫瘍マーカーの使い方を中心に述べる.
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