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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻10号

2003年10月発行

文献概要

今月の臨床 周産期の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説 妊娠管理

3.妊娠中のDVTの診断法と精度は?

著者: 安達知子1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1258 - P.1261

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はじめに

 近年,産科領域における静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)の報告が増加している.VTEは,大きく深部静脈血栓症 : deep venous thrombosis(DVT)と肺塞栓症 : pulmonary embolism(PE)に分けられる.PEはその約85%がDVTから生じる1)が,急性のPEは致命率が高く,その10%が発症1時間以内に死亡するともいわれており2),本邦も含めて先進諸国の妊産婦死亡の主要原因となっている3~5).したがって,妊産婦におけるDVTの早期診断や適切な治療は重要である.妊娠中のDVTは予知が難しく,また,しばしばDVTの症状である下肢の腫脹や下肢痛が非特異的に出現しやすいため,その診断は重要である.ここでは,DVTの妊娠中での診断法とその精度について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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