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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻10号

2003年10月発行

今月の臨床 周産期の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説

分娩管理

2.前回帝切例の分娩方針は?

著者: 椹木晋1 辻哲郎1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院産婦人科

ページ範囲:P.1285 - P.1287

文献概要

はじめに

 近年,麻酔学の進歩により帝王切開術(以下,帝切と略)が比較的安全に行えるようになった.また産科の世界でも分娩監視装置,超音波断層装置の普及による胎児管理精度の向上,少子化による親や医師の安全思考による社会的要因などにより帝切率は上昇してきている.

 その結果,日常,前回帝切例を取り扱うことが増加してきている.従来,前回帝切はすべて帝切による分娩とすることがわが国においても当然のこととして受け入れられてきた.しかしながら過度の帝王切開術の増加を抑制するために1980年代になり米国において前回帝王切開後の経腟分娩(VBAC)が推し進められるようになり,多くの施設がその安全性について検討を行うようになった.それらの結果の多くが安全性を示唆するものであったため,VBAC率は飛躍的に増加していった.しかし,ここ最近になり米国においてVBAC率は低下傾向を示している(図1)1).これは,従来の結果に対する評価が変わってきたことや新たな大規模調査の結果が明らかになってきたことによると思われる.そこで今回は,最近のデータを踏まえたうえで前回帝切症例の取り扱い方を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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