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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻10号

2003年10月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

新生児早発型B群レンサ球菌(GBS)感染症予防戦略2002年

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.1324 - P.1327

文献概要

 妊婦の10~30%は腟や直腸内にGBS集落形成がみられる(J Infect Dis 137 : 524, 1978/OG 77 : 604, 1991/J Infect Dis 145 : 794, 1982/J Infect Dis 148 : 802, 1983).新生児の侵襲性GBS疾患は敗血症,肺炎,または髄膜炎として発症する.約1千万人の調査では,早発型新生児GBS感染の死亡率は6%と報告されている[MMWR 41(6): 25, 1990].米国では年間に約1,600例の早発型新生児GBS感染(陣痛または分娩中の垂直感染)が発症し,80例が死亡している[MMWR Recomm Rep 51(RR―11): 1―22, 2002].1990年代以降の積極的予防努力の結果,早発型新生児GBS感染は1999年には70%減少し出生1,000例につき0.5例に減少している(Emerging Infect Dis 7 : 92, 2001).

 1996年6月に米国防疫センター(CDC)と米国産婦人科学会(ACOG)から早発型新生児GBS感染予防戦略が推奨された.予防には2戦略あり,危険因子(妊娠37週未満の早期産,妊娠37週未満の破水,破水後18時間以上,新生児GBS感染症児出産既往歴,分娩中の母体発熱38℃以上,今回の妊娠中にGBSが原因の尿路感染症の既往)がある場合に分娩中に抗生物質を予防的に投与する戦略,または妊娠35~37週で全例「肛門周囲と会陰」から検体を採取しGBS培養を行い,培養陽性例は分娩中に抗生物質を予防的に投与する戦略のいずれかを採用することを推奨した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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