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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻11号

2003年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説 EBMからみたART

6.ARTによる治療の限界は?―何歳まで妊娠,出産が期待できるか

著者: 荒木重雄1

所属機関: 1国際医療技術研究所 IMT College

ページ範囲:P.1421 - P.1425

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はじめに

 高学歴化や専門的キャリアを積みたいなどの社会的背景もあり,比較的高齢で妊娠を望む女性が増えてきている.しかし,不妊治療の技術的な問題もあり高齢者の妊娠率が比較的低かったために,40歳以上で不妊治療を受ける女性は少なかった.近頃,ARTの進歩によって高齢者の妊娠例が報告されるようになったこともあり,30代後半,ときには40歳を超えて不妊治療を求める例もめずらしくなくなった.しかし,加齢に伴って妊孕性が低下することはARTにおいても同様で,反復してARTを受けても生児が得られず混迷を深めるカップルも多い.生殖年齢の終わりが近づいたカップルに適切な情報を提供し,どのように対応するのが最も望ましいのかを考えた自己決定を促すことは,医療者の責任でもある.

 本稿では,なぜ加齢に伴って妊娠,出産が難しくなるのかを生殖医学の面から解説し,40歳以上の比較的高齢の女性における実際のARTの成績の報告例を紹介させていただく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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