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性器ヘルペス合併妊娠の分娩管理について―自験例4例の検討―
著者: 藤原葉一郎1 中田好則1 山田俊夫1 伊藤良治1 小石清子1 遠藤紫穂1 山元三紗子1 加藤聖子1
所属機関: 1京都第一赤十字病院産婦人科
ページ範囲:P.1438 - P.1441
文献購入ページに移動単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)に起因した性器ヘルペス合併妊娠は,分娩時の産道感染において重篤な新生児ヘルペス症をきたしやすく,その管理,治療については注意が必要とされる.
現在本邦では,性器ヘルペス合併妊婦における垂直感染の予防には,初感染の場合は発症から4週間以内,再発・誘発の場合は1週間以内であれば,分娩方式は帝王切開術とすることが推奨されている1).しかし実際に妊婦健診をしていると,初感染の性器ヘルペスを発症してから4週間後がちょうど妊娠10か月に入る場合や,妊娠10か月に入ってから再発・誘発性器ヘルペスの発症を認めたが,内診所見から何とか分娩まであと1週間はもちそうと考えられる症例に遭遇することがあり,分娩方式の選択に苦慮することが少なくない.
今回われわれは,それぞれ妊娠25週,36週,38週,41週で発症した性器ヘルペス合併妊婦の分娩を経験したので,その管理,分娩方式の選択について検討を加えた.
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