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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻11号

2003年11月発行

文献概要

連載 症例

分娩後に突然発症したHELLP症候群の1例

著者: 長坂久司1 長坂正仁1

所属機関: 1長坂クリニック

ページ範囲:P.1448 - P.1451

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はじめに

 HELLP症候群とは,1982年にWeinstein1)が溶血(hemolysis),肝酵素上昇(elevated liver enzymes),血小板減少(low platelet count)を示す妊娠中毒症の一群を報告し,その頭文字からつけられた症候群である.早期に発見し,迅速かつ積極的に治療がなされなければ母児ともに致命率が高くなる1)

 最近の知見では,HELLP症候群は突然発症するものではなく,徐々に血小板数が減少して発症するという2).また,予防にはアンチトロンビンIII(以下,AT―III)製剤が有効である3)とされている.しかしながら,今回われわれは,分娩2日前まで血小板数にまったく異常がなく,予防的にAT―III製剤を投与したが,分娩後に突然発症したHELLP症候群の1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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