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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻12号

2003年12月発行

今月の臨床 婦人科がん治療の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説

子宮体がん

1.ホルモン療法の限界は?

著者: 玉舎輝彦1

所属機関: 1岐阜大学医学部女性生殖器学

ページ範囲:P.1499 - P.1503

文献概要

はじめに

 子宮体癌におけるホルモン療法は3つの点より目指す目的となっている.すなわち,それは予防,治療,子宮温存のための補助療法からなる.

 病因論においては,2つのタイプがある(図1)1).一般的には体癌はエストロゲンと関係するタイプIと関係しないタイプIIとに分けられる.タイプIはエストロゲン関係因子(エストロゲン持続刺激,PCO症候群,肥満)と関連し,若年女性に多く,増殖期子宮内膜より,続いて子宮内膜増殖症へと進展し,癌が発生すると考えられており,高分化型で,びまん性に発育し筋層浸潤が少なく,予後がよい.一方タイプIIは高齢女性に多く,エストロゲン刺激や子宮内膜症と関係がなく,遺伝子突然変異の蓄積により萎縮子宮内膜より発生し,限局性に発育し,低分化型で筋層浸潤が強く,予後が悪い2).タイプI,IIでも一度発癌すると子宮内膜由来であるから,ホルモン療法という観点からは,エストロゲン依存性に発育する面を抑制することが目標となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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