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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻12号

2003年12月発行

今月の臨床 婦人科がん治療の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説

子宮体がん

2.子宮体がんの術式は?

著者: 蔵本博行1 新井努1

所属機関: 1北里大学大学院医療系研究科

ページ範囲:P.1505 - P.1507

文献概要

はじめに

 子宮内膜癌に対して,第一に選択される治療法は手術療法であろう.FIGO(世界産婦人科連合)のAnnual Report(2001)1)によると4,969例中の97.7%が手術療法を受けている.わが国でもほぼ同様で,日本産科婦人科学会子宮癌登録委員会・全国集計2)では94.6%(1989~1990年)となっている(表1).手術療法が,最も子宮内膜癌の治療法として信頼されていることが頷ける.しかし,その術式に関してはさまざまな意見がある.一般にわが国では子宮摘出の術式として,広汎性や準広汎性子宮全摘術が用いられる傾向にあるが,欧米では単純子宮全摘術が採用されることが多い.骨盤内リンパ節郭清についてはFIGO(1988年)ならびに日産婦学会(1995年)で手術進行期を採用した3)ことから,リンパ節転移の有無が進行期決定に重要な要素となった.そのため,リンパ節郭清が高頻度に実施されるようになったのではないか.一方,欧米では,リンパ節郭清は意外と多くないようである.さらに,近年,子宮内膜癌が傍大動脈リンパ節に転移することが少なからず認められることが明らかになった.手術進行期の決定に同リンパ節転移の有無を明らかにしなければならないこともあり,傍大動脈リンパ節郭清が施行されることが多くなっている.本稿では,手術療法に関連する子宮内膜癌の子宮外への進展頻度について総括したうえで,手術療法の各術式の有用性に検討を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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