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連載 ここまできた婦人科日帰り手術 7
子宮頸部円錐切除術―LEEP法―
著者: 山本謙二1
所属機関: 1湘南鎌倉総合病院産婦人科
ページ範囲:P.1558 - P.1561
文献購入ページに移動1 はじめに
1995年(平成7年)10月に当院で日帰り手術センターが開設されるにあたり,婦人科領域において日帰りが可能な手術としてまず検討,実施されたのが子宮頸部上皮内新生物(cervical intraepithelial neoplasia : CIN)に対する子宮頸部円錐切除術(conization)である.
conizationの術式にはメスを用いたcold knife法,各種レーザーを用いたレーザー法,ループ型電極を用いたLEEP(Loop Electrosurgical Excision Procedure)法,超音波振動で切除する方法(ハーモニック・スカルペル)などがある.どの方法にも一長一短があり1, 2),症例により使い分けることが重要である.
cold knife法はメスやクーパーを用いて切除する古典的方法であるが,切除の際に組織に熱変性が起こらないため切除断端まで組織の確認が可能であり,さらに子宮頸部を一塊に摘出できるため組織の再構築が不要であり,病理診断の面からは最も適切な方法である.しかし,他の方法に比べ出血量が多いことが欠点である.
レーザー法はYAGレーザー,CO2レーザーなどの種類があり出血量が少ないのが利点である.一方,器具が高価であること,組織の熱変性による診断の不確実性が欠点である.
LEEP法は,出血量が少ない,手術手技が簡単,手術時間が短いなどの利点がある.しかし組織を一塊に摘出できず,分割して切除する症例も多く,組織の再構築が困難な場合がある.また,熱変性による組織診断の不確実性があるのも欠点である.
ハーモニック・スカルペルは超音波振動のエネルギーを利用して組織を切除する装置であるが出血量も少なく,レーザーなどに比べ熱変性が少ないという利点がある.逆に切除断面への組織変性効果が少ないがゆえに,conizationの際の切除断端が陽性の場合の残存子宮への治療効果はあまり期待できないようである.
当院では,日帰り手術センター開設以来,conizationには原則としてLEEP法を採用しているが,術後出血などのトラブルもなく,全例,手術当日に退院が可能となっている.
1995年(平成7年)10月に当院で日帰り手術センターが開設されるにあたり,婦人科領域において日帰りが可能な手術としてまず検討,実施されたのが子宮頸部上皮内新生物(cervical intraepithelial neoplasia : CIN)に対する子宮頸部円錐切除術(conization)である.
conizationの術式にはメスを用いたcold knife法,各種レーザーを用いたレーザー法,ループ型電極を用いたLEEP(Loop Electrosurgical Excision Procedure)法,超音波振動で切除する方法(ハーモニック・スカルペル)などがある.どの方法にも一長一短があり1, 2),症例により使い分けることが重要である.
cold knife法はメスやクーパーを用いて切除する古典的方法であるが,切除の際に組織に熱変性が起こらないため切除断端まで組織の確認が可能であり,さらに子宮頸部を一塊に摘出できるため組織の再構築が不要であり,病理診断の面からは最も適切な方法である.しかし,他の方法に比べ出血量が多いことが欠点である.
レーザー法はYAGレーザー,CO2レーザーなどの種類があり出血量が少ないのが利点である.一方,器具が高価であること,組織の熱変性による診断の不確実性が欠点である.
LEEP法は,出血量が少ない,手術手技が簡単,手術時間が短いなどの利点がある.しかし組織を一塊に摘出できず,分割して切除する症例も多く,組織の再構築が困難な場合がある.また,熱変性による組織診断の不確実性があるのも欠点である.
ハーモニック・スカルペルは超音波振動のエネルギーを利用して組織を切除する装置であるが出血量も少なく,レーザーなどに比べ熱変性が少ないという利点がある.逆に切除断面への組織変性効果が少ないがゆえに,conizationの際の切除断端が陽性の場合の残存子宮への治療効果はあまり期待できないようである.
当院では,日帰り手術センター開設以来,conizationには原則としてLEEP法を採用しているが,術後出血などのトラブルもなく,全例,手術当日に退院が可能となっている.
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