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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

今月の臨床 母体症候―救急疾患の鑑別と初期対応 分娩時・産褥期の救急症候

2.発熱

著者: 松岡隆1 市塚清健1 大槻克文1 岡井崇1

所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.288 - P.291

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はじめに

 かつては産褥熱による重症敗血症の頻度が高く,妊産婦死亡の大きな原因のひとつであった.近代産科学においては,衛生環境の改善,抗生物質の開発により産褥熱の発生はコントロール可能なものになってきた.しかしながら抗生剤の安易な使用や周産期学の発達に伴い,high riskな帝王切開が施行されることも多くなり,産褥期に治療に難渋する感染症に出くわすことも決して稀なことではない.特に重篤な産褥敗血症は全身性炎症性症候群(systemic inflammatory response syndrome : SIRS)と考えられ,診断・治療が遅れると母体死亡につながる危険性がある.

 ここでは産褥期感染症,特にSIRSを引き起こすMRSA感染症,および最近重症例の報告が増加しているA群レンサ球菌感染症を中心に述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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