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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 I. 周産期 [子宮復古不全]

6.出血量が多い子宮復古不全の対処と処方について教えて下さい.

著者: 長塚正晃1 岡井崇1

所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.378 - P.379

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1 診療の概説

 子宮復古不全は,子宮収縮不全のために産褥の子宮復古が障害される状態をいう.分娩後の子宮重量は約1,000 g程度であるが,産褥1週間で約500 g,3週間で約200 g,6週間後では100 g以下となる.子宮腔長も産褥6週間後には非妊時とほぼ同様の7 cm程度となる1).子宮復古不全では,子宮は産褥各時期に比べて大きく,軟らかく,子宮頸部・外子宮口の閉鎖,退縮が遅れる.

1. 原 因

最も多い原因は胎盤片,卵膜片などの子宮内残留である.そのほか膀胱・直腸の充満,分娩時の大出血,極端な早期離床,反対に過度の安静,子宮筋腫合併,子宮内感染などがある.また,多胎分娩,羊水過多,非授乳婦,頻産婦などに起こることがある2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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