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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 I. 周産期 [乳児の皮膚疾患]

9.おむつかぶれの鑑別診断と処方について教えて下さい.

著者: 長塚正晃1 岡井崇1

所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.386 - P.387

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1 診療の概説

 乳児のおむつ部には,尿,糞便,残存する石鹸,洗剤,アンモニアなどの刺激による一次性刺激性皮膚炎,種々のアレルゲンによる接触性皮膚炎,微生物感染による感染性皮膚炎などが起きる.最近では,良質の紙おむつの普及により患者数は激減した.

1. 発生機序・原因

 一次性刺激性皮膚炎,特にアンモニアを原因とするものはおむつ皮膚炎(おむつかぶれ)と呼ばれ,いくつかの要因が複合し生じてくるとされる.

 汚れたおむつを長時間取り替えないと,便中の細菌が尿中の尿素を分解し,アンモニアを生じ,炎症を起こす.アンモニアは皮膚をアルカリ性にし,便中の蛋白分解酵素,脂肪分解酵素の作用を強める.おむつの通気性の悪さはその内部の温度・湿度を高め,皮膚がふやけた状態となり,角質の水分含有量の増加をきたす.これにより皮膚のバリアーとしての機能は低下する.また乳児は活発に運動するため,肌触りの悪いおむつは摩擦で皮膚を傷つけ,皮膚炎を増強させる因子となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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