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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 I. 周産期 [かぜ症候群(妊娠中)]

13.妊娠初期(12週まで)と産褥期の風邪の諸症状に対する薬剤の使い分けについて教えて下さい.

著者: 越智博1

所属機関: 1愛媛大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.394 - P.395

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1 診療の概説

 かぜ症候群は,上気道に生じる感染症によるカタル性炎症の総称である.病原微生物の多くはウイルスであり,80~90%を占める.ライノウイルスが主でアデノウイルス,インフルエンザウイルスなども原因となる.細菌,マイコプラズマ,クラミジアなども関与する.

 普通,感冒の場合は発病は緩徐で,くしゃみ,鼻汁で始まる.鼻汁は初期には水様,その後粘液性となり,鼻閉が強くなる.咽頭痛,咳も訴えるが,発熱は37℃にとどまる.

 インフルエンザウイルスによるかぜは全身症状が強いのが特徴で,急激な発熱,頭痛,関節痛,筋肉痛,全身倦怠感などの全身症状で発病し,同時か遅れて呼吸器症状を訴える.熱は急速に上昇し38~39℃台に達する.重症例では,子宮収縮の増加や子宮胎盤血流量の低下を伴い流産,早産の原因となる.妊娠中は免疫能の低下,呼吸循環動態の変化などがあるため重症化しやすい.

 治癒時期に解熱しない場合や白血球数増加,好中球核左方移動がみられる場合は,中耳炎,気管支炎,肺炎などの二次感染を疑う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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