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今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 II. 内分泌 [無月経]
21.多囊胞性卵巣症候群の対処と処方について教えて下さい.
著者: 久具宏司1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.415 - P.417
文献購入ページに移動1 診療の概説
多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は,両側卵巣が腫大,肥厚し,多数の囊胞を内包する状態を主徴とする症候群である.月経異常を伴うことがきわめて多く,ほかに多毛,男性化,肥満を随伴することもある.欧米の文献では,PCOSがインスリン抵抗性を伴い,そのため糖尿病の素因となっているとされている.しかし,日本でPCOSと診断される女性では,肥満を伴わないとインスリン抵抗性を示すことはほとんどなく,したがって将来の糖尿病発症のリスクも欧米で強調されているほど高くはないと考えられる.わが国におけるPCOSの診断基準を表11)に示す.
多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は,両側卵巣が腫大,肥厚し,多数の囊胞を内包する状態を主徴とする症候群である.月経異常を伴うことがきわめて多く,ほかに多毛,男性化,肥満を随伴することもある.欧米の文献では,PCOSがインスリン抵抗性を伴い,そのため糖尿病の素因となっているとされている.しかし,日本でPCOSと診断される女性では,肥満を伴わないとインスリン抵抗性を示すことはほとんどなく,したがって将来の糖尿病発症のリスクも欧米で強調されているほど高くはないと考えられる.わが国におけるPCOSの診断基準を表11)に示す.
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