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今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 II. 内分泌 [無月経]
23.神経性食思不振症の対処と処方について教えて下さい.
著者: 甲村弘子1
所属機関: 1大阪樟蔭女子大学
ページ範囲:P.421 - P.423
文献購入ページに移動1 診療の概説
神経性食思不振症(anorexia nervosa : AN)は思春期の女性に好発する疾患で,神経性過食症(bulimia nervosa : BN)を含めて,摂食障害(eating disorder : ED)という疾患の中に位置付けられている.1998年の全国調査によると,摂食障害の患者数は1993年からの5年間で約4倍に急増していることが明らかになった1).このうちANは2~3倍,BNは6~7倍の増加である.
本症は,拒食や過食,自己嘔吐などの食行動異常とともに,さまざまな身体的,心理的,社会的障害を呈する.本症の発症には,学校や家庭での対人関係から生ずる精神的葛藤などが根底にみられることが多く,ANからBNへの移行も少なくない.本症の成立に関与する要因は,病前要因となるリスクファクター,発症の引き金となる発症因子と,発症後に維持,増悪させる継続因子に大別される.神経性食思不振症の場合は無月経は必発であり,産婦人科を受診する機会が多い.
神経性食思不振症(anorexia nervosa : AN)は思春期の女性に好発する疾患で,神経性過食症(bulimia nervosa : BN)を含めて,摂食障害(eating disorder : ED)という疾患の中に位置付けられている.1998年の全国調査によると,摂食障害の患者数は1993年からの5年間で約4倍に急増していることが明らかになった1).このうちANは2~3倍,BNは6~7倍の増加である.
本症は,拒食や過食,自己嘔吐などの食行動異常とともに,さまざまな身体的,心理的,社会的障害を呈する.本症の発症には,学校や家庭での対人関係から生ずる精神的葛藤などが根底にみられることが多く,ANからBNへの移行も少なくない.本症の成立に関与する要因は,病前要因となるリスクファクター,発症の引き金となる発症因子と,発症後に維持,増悪させる継続因子に大別される.神経性食思不振症の場合は無月経は必発であり,産婦人科を受診する機会が多い.
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