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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 II. 内分泌 [機能性子宮出血]

28.更年期・老年期の機能性子宮出血,不正出血の対処と処方について教えて下さい.

著者: 澤田類1 村上節1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.437 - P.439

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更年期,老年期の不正性器出血は婦人科外来で遭遇する頻度の高い症状の1つであり,的確な診断・治療が求められる.更年期と老年期とでは性ホルモンの状態が異なるため,ここでは更年期と老年期に分けてその原因,病態,治療方針について概説する.

 

―更年期の場合―


1 診療の概説

 生殖期から老年期への移行期である更年期においては,加齢に伴い卵巣機能の低下がみられ,月経が不順となりやがて完全に停止する.この時期,ホルモン環境が変動するため機能性子宮出血の頻度は高くなる.更年期における機能性子宮出血は,原始卵胞の減少による卵巣機能不全に起因し,少量だがエストロゲンの持続分泌があるにもかかわらず排卵が起こらないため,黄体が形成されずにプロゲステロンの作用が欠如し子宮内膜が破綻出血を引き起こすことにある.

 月経が不順になってくるため月経なのか不正出血なのかは判断がつきにくいことも多いが,適切な検査を行い,器質的疾患を除外したうえで止血と再発の予防を行うことが大切となってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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