icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方

II. 内分泌 [機能性子宮出血]

29.タモキシフェン投与時の子宮出血の対処と処方について教えて下さい.

著者: 澤田類1 村上節1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.440 - P.441

文献概要

1 乳癌とタモキシフェン

 近年,日本でも乳癌(breast cancer)の頻度は増加しており,毎年約3万5,000人の女性が乳癌にかかり,約9,000人が死亡している.乳癌の腫瘍細胞はエストロゲンならびにプロゲステロンレセプターが陽性のことが多く,ホルモン依存性が高いことで有名である.以前はエストロゲンレセプター陽性例に対する術後補助療法として観血的に両側卵巣摘出術が行われてきたが,1971年に抗エストロゲン剤であるタモキシフェン(tamoxifen)が治療薬として開発され,その治療効果の高さ,投与方法の簡便さ,副作用の少なさより,以後,同剤を用いた非観血的なホルモン療法が広く行われるようになった.

 タモキシフェンは,エストロゲンのエストロゲンレセプターへの結合を妨げ,乳癌に対して35%の有効率を持つと報告されている.投与期間についても,2年より5年のほうが無再発期間,生存率ともに良好で,対側乳癌の発生率も減少することが明らかとされたため,1997年には術後のホルモン療法としてタモキシフェン5年間投与が一般化された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら