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今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 II. 内分泌 [月経移動]
30.2~3日前に月経が終わりましたが,ちょうど次の月経予定の頃に旅行があるといいます.対処と処方について教えて下さい.
著者: 安達知子1
所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科
ページ範囲:P.443 - P.443
文献購入ページに移動1 診療の概説
月経はいうまでもなく大切な生理的現象であるが,種々の行事,試験,旅行など大切なイベントに重なることは,うっとうしいばかりでなく,月経痛などのために実力を発揮できない,あるいはイベントへの参加をキャンセルせざるを得ないなどの状況に追いやられることがある.
月経を移動させるにはホルモン剤を使用するが,自分の自然の月経周期における内因性のホルモン分泌をよく考えた移動が必要である.
月経の移動には前にずらすか,後ろにずらすかの2つがあるが,特に,排卵日にかなり近い時期や排卵が終了している時期であれば,月経を前方へ移動することは不可能である.一方,後方へ移動することは内因性のホルモンのあとに外因性の卵巣ホルモンを投与して黄体期を延長させるため,ホルモン投与開始時期が遅れれば,内因性ホルモンの消退により不正出血が出現したり,適切な時期から投与しても子宮内膜維持への刺激が長期間続くため,ホルモン投与後の消退出血はいわゆる重い月経となり,体調に変動をきたしやすい.
本稿では,移動の実際について解説する.
月経はいうまでもなく大切な生理的現象であるが,種々の行事,試験,旅行など大切なイベントに重なることは,うっとうしいばかりでなく,月経痛などのために実力を発揮できない,あるいはイベントへの参加をキャンセルせざるを得ないなどの状況に追いやられることがある.
月経を移動させるにはホルモン剤を使用するが,自分の自然の月経周期における内因性のホルモン分泌をよく考えた移動が必要である.
月経の移動には前にずらすか,後ろにずらすかの2つがあるが,特に,排卵日にかなり近い時期や排卵が終了している時期であれば,月経を前方へ移動することは不可能である.一方,後方へ移動することは内因性のホルモンのあとに外因性の卵巣ホルモンを投与して黄体期を延長させるため,ホルモン投与開始時期が遅れれば,内因性ホルモンの消退により不正出血が出現したり,適切な時期から投与しても子宮内膜維持への刺激が長期間続くため,ホルモン投与後の消退出血はいわゆる重い月経となり,体調に変動をきたしやすい.
本稿では,移動の実際について解説する.
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