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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 II. 内分泌 [過多月経]

35.40歳代の経産婦人.2年前から月経量が増加して,最近は月経2日目に鶏卵大の凝血塊が認められるようになり,階段の昇降で動悸や息ぎれがみられるようなりました.対処と処方について教えて下さい.

著者: 池上博雅1

所属機関: 1大阪府立病院産婦人科

ページ範囲:P.457 - P.459

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1 診療の概説

 過多月経は通常150 ml以上の出血を伴う場合をいうが,正確な月経量の測定は困難であり,貧血を起こしたり日常生活に支障をきたすほど月経量が多い場合に治療の対象となる.上記の症例では,月経2日目に鶏卵大の凝血塊が認められ,階段の昇降で動悸や息切れがみられるという貧血症状があることより治療が必要となる.過多月経の原因は,性ステロイドホルモン分泌異常による機能性過多月経,子宮疾患(子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜癌など)による器質性過多月経,その他の原因による過多月経(特発性血小板減少性紫斑病,白血病,抗凝固薬投与,IUD挿入など)に分けられる.

 子宮疾患やその他の原因による過多月経は原疾患の治療が優先される.この症例の場合には未だ診断が確定していないが,子宮腺筋症(子宮筋腫もほぼ同様)については質問42を参照していただければよいので,この項では主に機能性過多月経を想定して治療を考えることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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