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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方

II. 内分泌 [月経前緊張症]

38.多彩な症状がみられる月経前緊張症の対処と処方について教えて下さい.

著者: 星合昊1

所属機関: 1近畿大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.465 - P.465

文献概要

1 診療の概説

 月経の発来する3~10日前くらいから始まる精神的,身体的症状で,月経開始とともに症状が消失ないし減退するものを月経前症候群または月経前緊張症という.通常は神経が過敏・緊張状態となり,顔面や下腹部,四肢などに浮腫が出現し,体重増加,食欲充進,抑うつ状態などの症状が現れる.本症の発生原因については必ずしも判明していないが,発症する時期が黄体期に相当するために,黄体より分泌されるプロゲステロンが関与しているものと考えられている.

 出現する症状を大きく分けると,(1)不安,過敏,精神緊張状態,ときには軽い抑うつ状態となるもの,(2)体重増加,乳房・腹部の緊満,浮腫がみられるもの,(3)食欲が亢進するもの,(4)抑うつ状態が主となるものなど,種々の症状が出現するが,個人により一定の傾向がある.本症の診断のための特有の検査成績はないが,症状が上記のもので,月経発来10日前ごろから出現し,月経が発来すると同時に消失するものをいう.この際,基礎体温などをみると排卵もあり,黄体機能も正常であることが多い.

 月経困難症とは,月経発来により消失する本症と,月経発来または直前から発症する月経困難症に分けることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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