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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方

II. 内分泌 [更年期障害(ホルモン補充療法)]

47.強度の不眠症を伴った更年期障害のホルモン補充療法について教えて下さい.

著者: 米田直人1

所属機関: 1日生病院産婦人科

ページ範囲:P.488 - P.489

文献概要

1 診療の概説

 不眠は更年期女性において訴えの多い症状の1つである.不眠症は4つのタイプに分けられる.すなわち,(1)入眠障害,(2)熟眠障害,(3)途中覚醒,(4)早朝覚醒である.更年期女性にはこれらすべてのタイプの不眠が出現しうる.一般に高齢者の睡眠は睡眠平均時間がやや短くなる.夜は早くより寝床につくが,就床してから入眠するまでの時間は長くなり,眠りが浅くて中途覚醒の回数が増える.また,朝早く目覚めることが多くなるなどの特徴があるが,この加齢に伴う生理的睡眠の変化を不眠として訴える場合がある.

 更年期障害の中では精神神経症状として不眠は認められるが,のぼせ,ほてりなどの血管運動神経症状が睡眠中に起こって途中覚醒などの不眠をもたらす場合もある.一方,精神疾患によって不眠が生じる場合もあり,更年期女性に最も高頻度に認められるのがうつ病性不眠である.うつ病による不眠の場合,特に極端な早朝覚醒が現れやすくなる.真夜中に目が覚めて,朝まで布団の中でくよくよと悲観的なことを考えたり,頭痛,食欲不振などの身体的な症状を伴うことが多い.

 これらの原因に加えて家庭や社会環境によるストレスが関与していることが多いので,単一の治療だけでは軽快しにくい.ホルモン補充療法(HRT)だけでなく,睡眠薬や抗うつ剤を併用する場合が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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