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今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 III. 不妊症 [多嚢胞卵巣症候群]
57.多嚢胞卵巣症候群と診断される稀発月経の女性で,挙児希望もあります.対処と処方について教えて下さい.
著者: 高倉賢二1
所属機関: 1京都大学医学部婦人科学産科学教室
ページ範囲:P.522 - P.523
文献購入ページに移動1 診療の概説
多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)はその徴候については比較的はっきりしているものの,病因については未解明の点が多く残されている.しかし,診断基準の設定となると話は別で,報告により一定していないのが現状である.欧米では男性化徴候などを重視する傾向にあるが,本邦では元来,検査所見を重視し,(1)月経異常,(2)高LH血症(FSH正常),(3)両側卵巣の多嚢胞性腫大の3点をもってPCOSとすることが多く,1993年に日産婦生殖・内分泌委員会が提案した診断基準も同様である(表1).これには,高アンドロゲン血症や多毛を基準に加えると大半の症例が脱落するという本邦独特の事情も関係しているものと考えられる.
多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)はその徴候については比較的はっきりしているものの,病因については未解明の点が多く残されている.しかし,診断基準の設定となると話は別で,報告により一定していないのが現状である.欧米では男性化徴候などを重視する傾向にあるが,本邦では元来,検査所見を重視し,(1)月経異常,(2)高LH血症(FSH正常),(3)両側卵巣の多嚢胞性腫大の3点をもってPCOSとすることが多く,1993年に日産婦生殖・内分泌委員会が提案した診断基準も同様である(表1).これには,高アンドロゲン血症や多毛を基準に加えると大半の症例が脱落するという本邦独特の事情も関係しているものと考えられる.
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