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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 III. 不妊症 [原因不明不妊]

62.原因不明の不妊に対して,ART以外の有効な対処法があれば教えて下さい.

著者: 松林秀彦1 牧野恒久1

所属機関: 1東海大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.539 - P.541

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1 診療の概説

 ARTが最も妊娠率の高い方法であり,ほかに明らかな原因のみつからないいわゆる「原因不明」の場合は最終的にARTを行うことになるので,ART以外に有効な対処方法というものは実際には存在しない.一方,ほかに原因があったとしてもARTでカバーできる範囲のものであり,しかし何度ARTをトライしても妊娠しない場合,これもやはり「原因不明」となる.最も妊娠率の高い方法「ART」をもってしてもその妊娠率は20~30%程度であり,これはある意味ARTが未だ不妊治療として不完全なものであることを意味している.「ART」の妊娠率からみた場合の「原因不明」とは,すなわち着床障害である.着床現象については,現在,研究が徐々に進んでいるとはいえ,臨床的にはほとんど解明されていないといってよい段階である.

 このように不妊治療の最終段階がARTであるから,ART以外の有効な対処方法というものはない.しかし,ほかにとるべき道あるいはARTをサポートする方法については論じておくべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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