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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 IV. 感染症 [淋病(淋疾)]

75.頸管炎による膿性帯下を認め,培養検査で淋菌が証明されました.対処と処方について教えて下さい.

著者: 保田仁介1

所属機関: 1松下記念病院産婦人科

ページ範囲:P.568 - P.569

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1 診療の概説

 産婦人科領域のSTDで性器クラミジア感染症が注目されるなかで,淋菌感染症はむしろSTDのハイリスク婦人での感染症と考えられ,その検査が十分に行われてこなかったといえる.しかしクラミジアとともに行われたスクリーニング検査結果をみると,妊婦などの一般婦人でもその検出率は増加しており,今後十分な監視が必要である.

 子宮頸管炎は女性淋菌感染症の代表であり,典型的な症例では膿性で緑がかった頸管分泌物を子宮口にみることもある.しかし多くの例では無症状であり,そのため積極的に淋菌培養検査,核酸増幅検査などを行うことが重要である.上行感染すれば古くから知られている卵管炎を中心とした骨盤内感染,いわゆるPIDやTOA(tubo―ovarian abscess)へと進行するほか,最近はオーラルセックスによる淋菌性咽頭炎が増加している.

 淋菌性咽頭炎は無症状であることが多いとされ,特に感染リスクの高いCSW(commercial sex workers)などでは,クラミジアと同様に子宮頸管での感染より高率との報告があり,検出検査が重要である.なお咽頭には淋菌以外のナイセリア属の感染も少なくなく,核酸増幅法の1つであるアンプリコア法では偽陽性に注意する必要がある.適宜,培養法,DNAプローブ法,LCRによる核酸増幅法などを使用する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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