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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 V. 腫瘍 [子宮筋腫]

81.55歳の閉経後女性.特に症状はありませんが,がん検診の際に子宮に筋腫様の腫瘤がみつかりました.以後の対処について教えて下さい.

著者: 榎本隆之1 上田豊1

所属機関: 1大阪大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.584 - P.585

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1 診療の概説

 閉経後に子宮に認められる筋腫様腫瘤は子宮平滑筋肉腫との鑑別が重要である.子宮筋腫がエストロゲン依存性で閉経後縮小するのに対し,子宮平滑筋肉腫は多くが閉経後に発生する.頻度は10万人に1~2人と比較的稀であるが,子宮筋腫との鑑別は難しく,その予後は不良である.閉経後に子宮に筋腫様腫瘤を認めた場合,臨床経過や超音波所見,MRI所見,血清LDH値などを参考に注意深い対処が必要であり,子宮平滑筋肉腫を疑う場合は速やかな手術が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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