文献詳細
今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方
V. 腫瘍 [子宮頸癌]
文献概要
1 診療の概説
子宮頸癌の治療は従来より手術療法および放射線療法が主体であり,子宮頸癌に対して放射線療法前にネオアジュバント化学療法を行うことの有用性はほとんど否定された.化学療法は放射線増感作用のある5―FUを中心に補助的に行われていたにすぎず,その有用性は限定されたものであった.しかし,CDDPに放射線増感作用が見いだされるに至り,子宮頸癌の放射線療法と化学療法の併用療法(concurrent chemoradiation therapy : CCR)の有効性が1990年の後半から検討されるようになった.特に1999年から2000年にかけて,米国においてGOGをはじめとする大規模な5つの比較検定試験が行われた(表1).これらの試験で用いられたのはCDDP単独か,あるいはCDDP+5―FUのレジメンであったが,結果はCCRの有効性を支持するものであった1~2).その後の報告でもCCRの有効性を示すものが多かった.
CCRは,現在では最もevidence gradeの高い治療と考えられ,急速に普及している.その作用機序として,薬剤の放射線増感効果と併用による相加効果の2つが考えられている.
子宮頸癌の治療は従来より手術療法および放射線療法が主体であり,子宮頸癌に対して放射線療法前にネオアジュバント化学療法を行うことの有用性はほとんど否定された.化学療法は放射線増感作用のある5―FUを中心に補助的に行われていたにすぎず,その有用性は限定されたものであった.しかし,CDDPに放射線増感作用が見いだされるに至り,子宮頸癌の放射線療法と化学療法の併用療法(concurrent chemoradiation therapy : CCR)の有効性が1990年の後半から検討されるようになった.特に1999年から2000年にかけて,米国においてGOGをはじめとする大規模な5つの比較検定試験が行われた(表1).これらの試験で用いられたのはCDDP単独か,あるいはCDDP+5―FUのレジメンであったが,結果はCCRの有効性を支持するものであった1~2).その後の報告でもCCRの有効性を示すものが多かった.
CCRは,現在では最もevidence gradeの高い治療と考えられ,急速に普及している.その作用機序として,薬剤の放射線増感効果と併用による相加効果の2つが考えられている.
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