文献詳細
今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方
VI. その他 [接触皮膚炎]
98.乾燥した接触皮膚炎と湿潤した接触皮膚炎に対する薬剤の使い分けについて教えて下さい.
著者: 山枡誠一1 橘大介1 石河修1
所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.624 - P.625
文献概要
接触皮膚炎は,刺激性,アレルギー性および光アレルギー性に大別される.外来物質が皮膚のバリアを通過すると,角化細胞およびランゲルハンス細胞が直接化学的に刺激される.このとき分泌されたサイトカインやケモカインによって誘起された炎症が刺激性接触皮膚炎である1).アレルギー性接触皮膚炎は,皮膚に侵入した外来化学物質に対して感作が成立したあとに同物質に再曝露された際に誘起されるT細胞を介した遅発型アレルギー反応である.典型的なアレルギー性接触皮膚炎では,アレルゲンとの接触後12時間ごろから掻痒感が,20時間ごろから湿疹病変が出現し,1~2日で極期となったのち,約7~10日で治癒する2).この病態に因子として紫外線などによる光が加わったものが光アレルギー性接触皮膚炎である.実際には原因物質が1つであっても,これらの病態が複合していることが多いと考えられる.
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