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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい 産婦人科外来における対処と処方 VI. その他 [不眠症]

101.手術前の不眠症です.対処と処方について教えて下さい.また,年齢による薬剤の使い分けは必要でしょうか.

著者: 金岡靖1 市村友季1 石河修1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.630 - P.631

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1 診療の概説

 睡眠障害についての解説書には,「強い刺激があると入眠が妨げられる.スムーズに覚醒から睡眠へ移行するためには緊張や刺激を避けることが必要である」という意味の記述が例外なくみられる.手術前の患者が程度の差はあれ不安や緊張を伴う心理状態に陥ることは想像に難くない.すなわち,大多数の患者にとっては手術や麻酔はできれば避けたい初めての経験であり,不安や緊張のために手術前夜にスムーズに入眠できない場合が少なくない.このため手術前夜は必ず入眠のための処方を行う施設も多い.

 このような目的で使用される薬剤は消失半減期が2~4時間の超短時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠薬または非ベンゾジアゼピン系睡眠薬である.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は催眠作用に関連したベンゾジアゼピン受容体(ω1受容体)には作用するが,抗不安作用・筋弛緩作用と関連した受容体(ω2受容体)には作用しない.すなわち,ω1受容体選択性の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は抗不安作用・筋弛緩作用が弱い薬剤である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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