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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻5号

2003年05月発行

今月の臨床 妊娠と薬物―EBM時代に対応した必須知識

妊産婦,授乳婦人での薬物の選択と投与法

11.止血薬,抗凝固薬

著者: 宮部勇樹1 金山尚裕1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.716 - P.719

文献概要

はじめに

 妊娠中は血液凝固能が亢進し,線溶能は低下している.これは非妊時に比べて,妊産婦が妊娠,分娩を通じて出血の危険に常に晒されているため,自分自身を防御するために合目的な機構といえよう.ところが,このことは血栓症を誘発したり,DICの誘因となりうる.欧米では妊産婦の静脈血栓性疾患は,同年齢の非妊娠女性の5倍の発症率である1).また最近の報告では1,627妊娠に1例の割合で深部静脈血栓症が発症するとされている2).また先天性の凝固因子異常患者,先天性心疾患患者の生存率は上昇しており,その妊娠分娩例は増加していると思われる.そのため,抗凝固薬の適切な使用はきわめて重要である.

 本稿では,各疾患別に主要な抗凝固薬の使用法,安全性について述べる.また,止血薬についても述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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