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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻6号

2003年06月発行

今月の臨床 ホルモン補充療法を再考する

Women's Health Initiative(WHI)

1.WHIの解説―何が問題だったのか

著者: 麻生武志1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院生殖機能協関学

ページ範囲:P.768 - P.770

文献概要

はじめに

 ホルモン補充療法(hormone replacement therapy : HRT)は,1940年頃にアメリカでhot flashesと泌尿性器症状の改善を目的にエストロゲン補充療法(estrogen replacement therapy : ERT)として導入され,症状の改善にはきわめて有用であったが,しかし当然の結果として子宮内膜癌発症頻度の上昇と血管疾患の増加の危険性が問題となった.この点を改善する方法として,1980年頃に子宮のある女性でのエストロゲンとプロゲスチンを併用するHRTが登場し,子宮内膜癌発症の減少が証明され,1986年にはFDAによって骨粗鬆症に対する予防・治療と心疾患の予防にHRTを用いることが承認された.これを受けて1992年にAmerican College of Physiciansが“Guidelines for counseling postmenopausal women about preventive hormone therapy”1)を提示し,HRTが臨床の場で定着することとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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