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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科57巻9号

2003年09月発行

文献概要

今月の臨床 思春期のヘルスケアとメンタルケア 思春期診療の実際とカウンセリング

5.思春期の不正出血

著者: 堀越順彦1 杉本久秀1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院産婦人科

ページ範囲:P.1174 - P.1177

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はじめに

 思春期とは,日本産婦人科学会の定義1)では,性機能の発現,すなわち乳房の発育,陰毛発生などの二次性徴出現に始まり,初経を経て,二次性徴の完成と月経周期がほぼ順調になるまでの期間としている.その期間はわが国の現状では8~9歳ごろから17~18歳ごろまでになる.いいかえれば,性機能(視床下部―下垂体―卵巣系)の活動開始による,卵巣からのエストロゲン分泌の増加に始まり,卵胞が十分に成熟し,周期的に排卵および月経が訪れるまでの期間となる.

 この期間にみられる不正出血の多くは,その性機能の未熟により,卵胞発育が不十分で排卵まで至らず,卵胞が退縮,エストロゲン低下による消退出血や卵胞発育が遅延し長期間のエストロゲン分泌による子宮内膜の破綻出血と考えられる.また排卵しても黄体が未熟なため,エストロゲンやプロゲステロンの分泌量が少なく,黄体機能不全となり不正出血を招くものと思われる.

 しかし,このような思春期の不正出血の中にも少数ではあるが器質的疾患,血液疾患(白血病,紫斑病など)や炎症による不正出血があることも忘れてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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