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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻1号

2004年01月発行

連載 ここまできた婦人科日帰り手術 8

緊急腹腔鏡下手術

著者: 中村拓実1 木幡豊1 井上裕美1

所属機関: 1湘南鎌倉総合病院産婦人科

ページ範囲:P.93 - P.95

文献概要

 緊急手術症例であっても,術後早期に退院し,病院より快適に過ごせる自宅での静養を要望する患者は少なくない.これに対する医療サービスとして,日帰り手術という選択肢がある.当院において,すぐに治療を必要とする緊急症例の患者ではあるが,healty patientに近い患者に対してminimally invasive surgeryである腹腔鏡下手術を実施した場合,いわゆる狭義のday―case surgeryまたはone night surgeryとなる症例が約44%であった.早期退院の希望は,これからも増加していく可能性があると考える.


1 はじめに

 本連載では,湘南鎌倉総合病院産婦人科での腹腔鏡下手術を主とした日帰り手術について検討している.婦人科領域の緊急症例に対して,患者のバイタルサインが安定し,意識が正常であれば,疾患の診断と治療を兼ねたminimally invasive surgeryである腹腔鏡下手術が有用な手段である1).すぐに治療を必要とする患者(sick patient)は,多くの場合,日帰り手術の対象者ではないが,最近,当科において子宮外妊娠や卵巣嚢腫の捻転などの救急患者が術後24時間前後で退院できることを多く経験する.腹腔鏡下手術であっても緊急手術症例であるがゆえに術後の経過観察期間をどの程度とするかは各施設の判断によると思うが,一方で腹腔鏡下手術の場合はminimally invasive surgeryであるがゆえに,患者の術後回復が早いことから,術後早期に退院を希望する患者がいるのも事実である.

 本稿では,婦人科領域の緊急症例を対象とした腹腔鏡下手術について,退院が手術当日から翌日までの症例(広い意味での日帰り手術)について検討する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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