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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻1号

2004年01月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

硫酸マグネシウム再考 : 子宮収縮抑制剤として有効で安全か?

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.82 - P.85

文献概要

 硫酸マグネシウムは米国では第一選択として最もよく使用される子宮収縮抑制剤である(NEJM 341 : 660, 1999).硫酸マグネシウムの妊娠中毒症に対する使用の安全性と優越性を支持する研究は複数ある(NEJM 333 : 201, 1995)が,子宮収縮抑制剤として使用した場合の安全性と有効性に関しては厳格に検討されていない(AJOG 168 : 1247, 1993/A guide to effective care in pregnancy and childbirth. Oxford, Oxford University Press, pp161―173, 1995).子宮収縮抑制剤としての硫酸マグネシウムの有効性を調べた唯一の無作為化臨床研究では有効性はなしという結果であった(AJOG 163 : 767, 1990).硫酸マグネシウム投与量は早発陣痛に対する使用はかなり多量になるので,多量投与と周産期死亡の関連に関する疑問を解決しなければならない.

 Goodwin(南カリフォルニア大学)は最近の講義の中で子宮収縮抑制剤として使用する際の問題点を挙げ,再考すべき証拠が幾つか発表されていることを紹介している(What's New in Approaches to PTL & PPROM. in Syllabus of the USC Perinatal Medicine 2003. February 15―21, 2003).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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