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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻11号

2004年11月発行

文献概要

今月の臨床 症例から学ぶ前置胎盤

出血しやすい前置胎盤とは

著者: 渡辺尚1 松原茂樹1

所属機関: 1自治医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1377 - P.1381

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はじめに

前置胎盤は,妊婦の約0.5%に起こる重篤な産科合併症である.妊娠中の性器出血の原因となり,止血しない場合には,母体および胎児を救命するために帝王切開以外に治療の選択肢がない場合が多い.したがって早産の頻度が高く,また首尾よく妊娠満期まで達することができても帝王切開術中,術後の出血が問題となる.最近の文献では,8年間,総分娩数93,996例中,前置胎盤は308例(0.33%),前置胎盤症例の以下の母体合併症のrelative risk(RR)は,子宮摘出 : 33.26,分娩前出血 : 9.81,分娩中出血 : 2.48,分娩後出血1.86,輸血10.05との報告がある1)

本稿では,自治医科大学産婦人科での前置胎盤症例を集計した結果より,大量出血の危険因子について記述する.統計学的解析には,unpaired student's t─test,chi─square test,pearson's correlation coefficient,multivariate logistic─regression analysisを用い,危険率p<0.05を有意とした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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