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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻12号

2004年12月発行

文献概要

今月の臨床 症例から学ぶ子宮内膜症─子宮内膜症を侮るな 症例から学ぶ

6.卵巣子宮内膜症の長期フォローの重要性―不妊治療後の卵巣子宮内膜症性嚢胞内に出現した境界悪性腫瘍症例を通して

著者: 宮城悦子1 平原史樹1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1462 - P.1465

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はじめに

子宮内膜症は,性成熟期女性の約10%が罹患しているとされ,近年女性の晩婚化,小子化,環境ホルモンの関与などにより増加傾向にある.また,1925年にSampson1)が子宮内膜症から卵巣癌への移行像を報告して以来,子宮内膜症は卵巣癌の発生母地として注目されており,その後両者の関連性を示唆する報告が多数ある2~5).また,近年の本邦での卵巣癌の増加に内膜症が関与している可能性も指摘されている.

今回,われわれは,不妊治療後の子宮内膜症性嚢胞の長期フォロー中に嚢胞内に発生した境界悪性上皮性卵巣腫瘍,mullerian mixed─epithelial borderline tumor(MEBT)の1例を経験した6).卵巣原発の上皮性境界悪性腫瘍のなかで,mixed─epithelial typeは約5%と頻度の低いもので7~9),その臨床的特性に関する報告は少ないものの子宮内膜症が高頻度に合併していることが報告されている7).その臨床経過,組織像を呈示し,文献的考察を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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