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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻12号

2004年12月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

誘発分娩を何日間行うか?

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.1516 - P.1519

文献概要

不必要な帝王切開(帝切)を減少させるために,「分娩進行停止(北米では難産dystociaという定義が曖昧で,妊婦や家族に不要な混乱を招く用語を使用しない傾向がある)のための帝切は十分な陣痛(200モンテヴィデオ単位以上)があり,潜伏期が終了し,2時間以上頸管の変化がない場合」という指針が示されている(ACOG Practice Bulletin. No.49, 2003)が,その指針に対し経過観察時間を2時間から4時間にしても母児転帰が悪化せずに帝切率が減少することを示唆する報告がある(OG 93 : 323, 1999).しかし,誘発分娩不成功の標準的定義は示されていない.

誘発分娩数の増加傾向があり(日本全体の統計は明らかではないが),米国では誘発分娩は増加の一途で,20%以上である.おそらく日本の誘発分娩率も施設間の大きな違いがあるものの,全体的にはかなり高率であることが予想される.誘発分娩では,自然陣痛発来に比較し帝切率が有意に増加することを示唆する報告が多数あり,特にプロスタグランジン(PG)[注 : 日本で使用される静脈内投与による頸管熟化の有効性と安全性を証明する研究がほとんどなく,北米ではPG静脈内投与による頸管熟化や誘発分娩はまったく行われない.腟または頸管内に投与するゼリーやPGを含有するテープを頸管に巻く方法,またはPG E1作用があるmisoprostolが採用される]を使用しない場合の不成功率はきわめて高率であることも証明されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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