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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻2号

2004年02月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科診療とリスクマネージメント

診療所におけるリスクマネージメント体制

著者: 樋口正俊1

所属機関: 1樋口産婦人科医院

ページ範囲:P.130 - P.135

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はじめに

 診療所を取り巻く医療リスクとしてはさまざまなものがある.①医療上のリスク,②医業上のリスク,③法的なリスクである.病院の場合も総論的には同じであるが,根本的に違うことは,①法人立病院は永遠の存在であり,個人立診療所は有限の存在であること.②組織規模の大きさの相違である.

 リスクマネージメント体制を述べるについてのキーワードは,診療者としての善管注意義務(民法400・644条)を果たすことである.それには,①医療行為の透明性の確保,②医療行為の説明責任を果たすことである.リスクマネージメント体制の要諦は,具体的には,①フールプルーフ(誰がやっても事故が起きない仕組み),②フェイルセイフ(もし事故が発生しても損害が出ない仕組み),③フェイルソフト(損害が出ても補償・賠償ができる仕組み)などの確立である.リスクマネージメントの内容では,①リスクアセスメント(同定),②リスクアナリシス(分析,原因解明),③リスクトリートメント(対策),④リスクインフォメーション(周知徹底,再発防止)などを施設の規模を考慮して組み合わせて具体的に行わなければ,机上の空論となりその実を上げることはできない.

 本稿では,産婦人科診療所におけるリスクマネージメント体制を,①外来診療における,受診者の初診から帰宅,そしてその後のフォロー,さらに,②入院診療を想定し,経験を交えて具体的に既述し,読者の参考に供することにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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