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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻2号

2004年02月発行

今月の臨床 産婦人科診療とリスクマネージメント

医療事故の実際とリスクマネージメント

3.腹腔鏡下手術

著者: 伊熊健一郎1 山田幸生1 奥久人1 伊藤善啓1 上田真太郎1 子安保喜1

所属機関: 1宝塚市立病院産婦人科

ページ範囲:P.148 - P.157

文献概要

はじめに

 1990年頃より各科で点火された腹腔鏡下手術は,産婦人科領域においても良性婦人科疾患に対しては今や標準術式となっている.その大きな理由は,従来法である開腹手術に比べて多くの利点のある手術だと患者側も医療者側も認識し得たからといえよう.しかしその一方では,従来法では起こりえない内容の偶発症や合併症にも遭遇することになる1~5).その危険性は,トロカー挿入に始まり,鉗子や器具の取り扱い,選択した術式や手技や手法によるものなどが,手術を終えてからもさまざまな形で待ち構えている.

 それでは,どのようなことが実際に起きるのか,そのような事態を回避する方法はあるのか,もしそのような場面に遭遇した場合には,一体どのように対処すればよいのか,といったことについては,腹腔鏡下手術に携わる以上,自覚し,認識しておく必要があると考える.ここでは,われわれがこれまでに実際に体験してきた事例を公表することで,腹腔鏡下手術に携わる者への警鐘としたい6~18).また,手術に際しての患者との十分なインフォームド・コンセントが前提であることはいうまでもないことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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