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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻3号

2004年03月発行

文献概要

今月の臨床 不正出血の患者が来たら 薬剤使用の有無をチェックする

1.ピ ル

著者: 杉野法広1

所属機関: 1山口大学医学部生殖・発達・感染医科学講座(産科婦人科学講座)

ページ範囲:P.278 - P.281

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はじめに

 現在使用されている低用量経口避妊薬(ピル)は,名前のとおり含有しているホルモン量が少ないため,ピル服用中の不正性器出血の頻度は思ったより高い(図1).特に,服用3か月間は不正性器出血がみられることが多いので注意が必要である.出血のパターンと原因は,服用周期の初期に起こるものは,エストロゲンの作用不足によるもので,子宮内膜の増殖が順調に進まないために起こるものである.服用周期の後期に起こる出血は,プロゲステロン成分の効力不足かあるいは用量不足が原因であることが多く,そのため子宮内膜の維持ができず内膜が剥脱してくるために起こる.なお,原因として,エストロゲンとプロゲステロンの割合の低下などによることもあるため,一概に絶対量といい切れないこともある.

 したがって,ピル服用中の不正性器出血に対処するためには,どのようなホルモン環境で出血をきたしているのかを考える必要があり,そのためにはどのようなピルを服用しているかをまず知る必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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