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今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス II.硬膜外麻酔分娩の概要 硬膜外麻酔分娩の安全性
16.硬膜外麻酔分娩は自然分娩と比べて安全といえるのですか.
著者: 甘彰華1
所属機関: 1神奈川県警友会けいゆう病院産婦人科
ページ範囲:P.398 - P.401
文献購入ページに移動1 はじめに
自然分娩に硬膜外麻酔を行うと,母体,胎児,分娩経過にどのような影響を与えるかという問題である.
まず,妊娠と麻酔のリスクとの関連を全体的にみた場合,麻酔が関係した母体死亡は米国において生産100万に対し1.7と概算されている.これは0.75% bupivacaineを市場から撤去し,局所麻酔薬の分割投与が一般に広まったことにより,局所麻酔薬の中毒死が急激に減少したからである.一方,区域麻酔の安全性が高まるとともに,全身麻酔のリスクが相対的に高まる結果となった.帝王切開術においてその死亡率は,全身麻酔で生産100万に対して32,区域麻酔で1.9と報告されている.また,全身麻酔時の挿管困難が妊婦250例に1例起こり,非妊婦の約10倍である.
自然分娩に硬膜外麻酔を行うと,母体,胎児,分娩経過にどのような影響を与えるかという問題である.
まず,妊娠と麻酔のリスクとの関連を全体的にみた場合,麻酔が関係した母体死亡は米国において生産100万に対し1.7と概算されている.これは0.75% bupivacaineを市場から撤去し,局所麻酔薬の分割投与が一般に広まったことにより,局所麻酔薬の中毒死が急激に減少したからである.一方,区域麻酔の安全性が高まるとともに,全身麻酔のリスクが相対的に高まる結果となった.帝王切開術においてその死亡率は,全身麻酔で生産100万に対して32,区域麻酔で1.9と報告されている.また,全身麻酔時の挿管困難が妊婦250例に1例起こり,非妊婦の約10倍である.
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