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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス

II.硬膜外麻酔分娩の概要 硬膜外麻酔の手技

31.硬膜外カテーテル留置を行う際の消毒について教えて下さい.

著者: 田中基1 田村高子1 宮坂勝之1

所属機関: 1国立成育医療センター手術集中治療部麻酔科

ページ範囲:P.434 - P.437

文献概要

1 はじめに

 硬膜外無痛分娩における重篤な合併症には,硬膜外膿瘍や細菌性髄膜炎などの感染によるものがある.硬膜外膿瘍の発生率は硬膜外ブロック50万件に1例程度と発生率は非常に低く,血行感染などの場合もあるため必ずしも硬膜外カテーテル留置と関連するとは限らない1).しかし,Huntら2)は硬膜外カテーテルの22%に細菌感染があり,特に産科患者において感染率が高かったと報告しており,硬膜外カテーテル留置の際の消毒および清潔操作をおろそかにすることはできない.

 現在,硬膜外カテーテル留置時の消毒についてのEBM(evidence based medicine)に基づいたガイドラインは存在しないため,海外においても消毒方法や帽子,マスク,滅菌ガウンの着用に関しては施設により異なる3).しかし,脊髄近傍へのカテーテル留置であるため,中心静脈カテーテル留置時と同様のmaximal barrier precautions(最上級の感染遮断防御策)が必要と考えている施設も多い4).当センターにおいても,CDC(Centers for Disease Control and Prevention : 米国疫病管理予防センター)が公表している中心静脈カテーテル留置時の感染予防ガイドライン5)に準じた処置を硬膜外カテーテル留置の際にも行っているので紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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