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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス

III.硬膜麻酔分娩とその影響 硬膜外麻酔分娩と計画分娩

43.硬膜外麻酔分娩と計画分娩との関連について教えて下さい.

著者: 磯部孟生1

所属機関: 1磯部レディースクリニック

ページ範囲:P.469 - P.473

文献概要

1 はじめに

 本来,欧米における積極的分娩管理(active management of labor)あるいは選択的分娩誘発(elective induction of labor)は,(a)医学的合併症がない,(b)自発の子宮収縮がある,(c)頭位,(d)単胎,の状態で満期産の週数に至った初産婦の分娩時間を短縮させ,帝切率を減らす方法として開発されたものである.この分娩管理は次の3点から成る.(1)One─to─one看護ケアを行う.(2)子宮頸管が熟化(展退80%)していて,痛みを伴う子宮収縮や出血,自然破水があるなど,スタートにおいて分娩開始状態である.(3)早期に人工破膜を行い,オキシトシンを使用する1)

 なお,硬膜外麻酔(以下,硬麻と省略)は産婦の希望時に実施されることが多い.一方,わが国で行われる計画分娩とは,医学的適応を含んだ幅広い症例に対しての選択的な分娩誘発を指す.計画分娩に硬麻を併用する理由としては,誘発を行うと進行が速いので,休日や夜間など医療スタッフが少ない時期を避けて,平日の日中に十分な管理が行えること,産痛の除去によって母児の安全性がより保証されること,いつでもそのまま緊急帝切に移行できる態勢ができることにある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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