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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス IV.硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策 硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策

48.局所麻酔薬のくも膜下注入の予防と対処について教えて下さい.

著者: 大島正行1

所属機関: 1日本医科大学附属第二病院麻酔科

ページ範囲:P.486 - P.487

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1 はじめに

 局所麻酔薬のくも膜下注入とは,硬膜外腔へ針またはカテーテルを留置しようとして,脊髄くも膜下腔へ到達し薬剤を注入することである.

 硬膜外針で脊髄くも膜下腔へ到達した場合には,硬膜外針より脳脊髄液の流出をみるのですぐに診断できるが,カテーテルの先端が脊髄くも膜下腔に侵入した場合には,疑わなければ発見しがたい.

硬膜外針のベベル面を体軸に平行にして穿刺する場合には,硬膜外腔を確認後,硬膜外針を回転させてカテーテルを挿入しなくてはならない.Tuohy針で穿刺後,回転させたときに硬膜穿刺を起こした報告がある1).これは硬膜穿刺後頭痛(PDPH)対策には有効だが,脊髄くも膜下注入の可能性が増えるかもしれない.もっとも,すでに硬膜穿刺されており,回転させることにより明らかとなっただけであるとの報告2)もある.

 ベベル面を頭側に向けて穿刺したほう(7.66 N)が,ベベル面を硬膜の線維と平行に向けて穿刺したとき(5.66 N)より,硬膜を穿刺するのに強い力を必要とするので,硬膜穿刺の頻度が低い3).当施設では,硬膜外針のベベル面は頭側に向けて穿刺している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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