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今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス IV.硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策 硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策
53.低血圧の予防と対処について教えて下さい.
著者: 津田敦1 長谷敦子1
所属機関: 1国立病院長崎医療センター麻酔科
ページ範囲:P.499 - P.501
文献購入ページに移動血圧低下の原因を図1に示す.交感神経は脊髄のC8,Th1~L2から起始し,毛細血管以外の血管に分布している.硬膜外麻酔により交感神経が遮断されると,細動脈が拡張し末梢血管抵抗が低下する.静脈が拡張すると,血液が静脈に貯留する.副腎への交感神経(Th6~L1)が遮断されるとカテコラミン分泌が抑制される.心臓交感神経以上(Th4)遮断されると徐脈となり,血圧低下の原因となる.さらに硬膜外麻酔による交感神経の遮断や妊娠子宮による圧迫によって,右心系の充満圧が低下し,反射によって徐脈が起こる1).
子宮による下大静脈圧迫は,静脈還流を低下させるだけでなく,子宮の静脈圧上昇と子宮の血流低下をもたらす.これに対して通常は交感神経を緊張させ,血圧低下を防いでいるが,硬膜外麻酔ではその防御反応が抑制される.
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