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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス

V.無痛分娩―われわれの工夫 硬膜外麻酔―われわれの工夫

61.平塚市民病院産婦人科の工夫について教えて下さい.

著者: 持丸文雄1

所属機関: 1平塚市民病院産婦人科

ページ範囲:P.529 - P.531

文献概要

1 はじめに

 無痛分娩の鎮痛法として硬膜外麻酔は,現在,最も有効で,しかも安全な手技と考えられる.覚醒時の鎮痛効果は,鎮痛薬・鎮静薬の経静脈的全身投与や吸入麻酔よりもすぐれているばかりでなく,気道に関する危険もないので,産婦は自ら主体的な役割を果たすことが可能である.カテーテルを留置する持続硬膜外麻酔は,その適応範囲が広く,分娩のさまざまな局面,例えば正常分娩,吸引・鉗子分娩,あるいは帝王切開などに応用することができる.しかも,術後の疼痛管理にも大変有効である.

 硬膜外麻酔は疼痛に起因する生理的・生化学的な過剰反応を抑制することにより,分娩中の産婦のみならず胎児に対しても有益な効果が広く認められている.一方,硬膜外麻酔に伴う運動神経の遮断は,分娩経過に悪影響を及ぼすとされ,これまでその影響を緩和すべく使用する薬剤の選択,目標麻酔区域などについて広範な検討が重ねられてきた.今後,理想的な無痛分娩の確立に向けさらなる研究の成果が待たれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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