文献詳細
今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス
VI.硬膜外麻酔分娩と妊婦 妊婦の疑問に答えます
文献概要
1 はじめに
硬膜外麻酔分娩では,ほかの麻酔法を併用しない限り意識はある.
無痛分娩を受ける妊婦は,分娩に対する恐怖が強いようである.そのために,硬膜外麻酔による産痛の除去だけでは満足する無痛分娩とはいえないことがある.このように,分娩そのものに異常に恐怖を訴える妊婦には,われわれは必要に応じて笑気ガスなどを用いての全身麻酔,または鎮静薬(ホリゾン,セルシンなど),催眠薬(イソゾールなど)を用いることにしている.
ただし,意識の抑制を必要とする場合は,分娩の進行がどうであるかによって薬剤の使い分けが必要となってくる.分娩第1期で,児の娩出までに長時間を要すると予測されるときには全身麻酔を併用することには無理がある.このときには鎮静薬,催眠薬の使用で必要な意識の抑制を得るようにしている.分娩第2期となって,児の娩出までに長時間を要しないなら全身麻酔を行うこともある.
麻酔ガス,鎮静薬,催眠薬などは母体投与によって胎盤を通過し,胎児に移行するものが多い.その結果,母体には微弱陣痛,弛緩性出血を,胎児には生理機能の抑制(ときにはsleeping babyの発生)をきたす.また使用薬剤によっては,将来の正常な母児関係の成立障害や児の成長後の薬物中毒症,薬物依存症を若起する可能性を示唆する報告もある.
硬膜外麻酔分娩では,ほかの麻酔法を併用しない限り意識はある.
無痛分娩を受ける妊婦は,分娩に対する恐怖が強いようである.そのために,硬膜外麻酔による産痛の除去だけでは満足する無痛分娩とはいえないことがある.このように,分娩そのものに異常に恐怖を訴える妊婦には,われわれは必要に応じて笑気ガスなどを用いての全身麻酔,または鎮静薬(ホリゾン,セルシンなど),催眠薬(イソゾールなど)を用いることにしている.
ただし,意識の抑制を必要とする場合は,分娩の進行がどうであるかによって薬剤の使い分けが必要となってくる.分娩第1期で,児の娩出までに長時間を要すると予測されるときには全身麻酔を併用することには無理がある.このときには鎮静薬,催眠薬の使用で必要な意識の抑制を得るようにしている.分娩第2期となって,児の娩出までに長時間を要しないなら全身麻酔を行うこともある.
麻酔ガス,鎮静薬,催眠薬などは母体投与によって胎盤を通過し,胎児に移行するものが多い.その結果,母体には微弱陣痛,弛緩性出血を,胎児には生理機能の抑制(ときにはsleeping babyの発生)をきたす.また使用薬剤によっては,将来の正常な母児関係の成立障害や児の成長後の薬物中毒症,薬物依存症を若起する可能性を示唆する報告もある.
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