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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス VI.硬膜外麻酔分娩と妊婦 妊婦の疑問に答えます

69.麻酔が効く範囲は身体のどの部分ですか.

著者: 山本哲三1

所属機関: 1札幌東豊病院産婦人科

ページ範囲:P.551 - P.551

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1 はじめに

 分娩第1期は開口期ともいわれ子宮口が開大する時期であり,この時期の産痛にはT10~L1までの知覚枝が関係する.分娩第2期は児の娩出期であるから,この時期の産痛には主に会陰部の知覚枝S2~S4が関係する.以上から,分娩第1期,分娩第2期を通して遮断しなければならない知覚神経はT10~S4の支配域の神経ということになる.一方,子宮収縮に関与する神経はT4~T12の支配域の遠心神経枝である.

硬膜外麻酔分娩では,陣痛と産道への影響を可及的に避ける必要があり,産痛除去のみを考えるとT10~S4までの分節麻酔でよいことになる.しかし,T10~T12までには子宮収縮に関係する遠心神経群も一部含まれているから,まったく陣痛に影響を与えないことにはならない.また,硬膜外麻酔を行う場合,目的とする神経遮断に必要な局麻薬剤量は使用薬剤によって差はあるものの,理論的には決まっている.実際には患者の麻酔科学的な特徴を考慮に入れて薬量を使用するが,麻酔の効き方は個人差を含め種々の因子によって目標よりも広範囲であったり,少なくて産痛が残ったりする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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