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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス

VI.硬膜外麻酔分娩と妊婦 妊婦の疑問に答えます

73.“赤ちゃんを産む”という感覚はあるのですか.

著者: 早田幸司1

所属機関: 1早田産婦人科クリニック

ページ範囲:P.555 - P.555

文献概要

1 はじめに

 出産とは母体の子宮内で発育した胎児を子宮外に産み出すことで,その内から外の間に存在する軟産道(子宮頸管と腟管からなる)の抵抗に逆らいながら胎児を圧出させる作業である.

 陣痛発来を自覚した母親は,それまで自分の胎内で成長したわが子を,無事,元気な姿で誕生させようと,心身ともに出産に臨む態勢に入る.そして,個人差はあるものの胎児娩出までの数時間を,種々の痛みや不安と戦いながら分娩は進行していく.子宮口が全開大し胎児下降が進むと,子宮収縮に一致して怒責が生じ腹圧が加わり,その強い娩出力で児を産道から子宮外へ押し出す.それがまさに“赤ちゃんを産む”という感覚につながる.

 無痛分娩には意識が朦朧としている間に分娩が終了してしまう方法がある.気がついたら赤ちゃんが産まれていたということになり,産む感覚は消えてしまう.しかし硬膜外麻酔分娩では意識はまったく正常で,はっきりした状態のもとで分娩は進んでいく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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